現役ギタリストによる定番アンプ・Marshall(マーシャル)の考察
スタックアンプの代名詞:Marshall(マーシャル)
エレキギターはギターアンプ無しでは完成しません。
素晴らしいギターを持っていてもアンプが良くなければギターのポテンシャルを引き出す事はできません。
数多存在するギターアンプの定番といえばMarshallではないでしょうか。
特にロック、ハードロック、メタルなどのジャンルには欠かせないアンプで数々の名演をサポートしてきた歴史あるブランドです。
Marshallと言えばコンボタイプ(アンプの操作部とスピーカーの一体型)もありますが
有名なのはスタックタイプでしょう。
(スタックタイプとはアンプを操作する部分とスピーカー部分でそれぞれ分かれているものの事です。)
アンプ内のパワー管にEL34(真空管の種類)を使用しているアンプの代表格と言っても過言ではないのではないでしょうか。
まさにブリティッシュサウンドの代名詞とも言えるMarshall。
Marshallは素晴らしいアンプにしてスタンダードなアンプ
Marshallはクリーントーンもキラキラしていて綺麗なのですが
その魅力といえばやはりギターを歪ませた時のサウンドです!
数々の名演、名盤から聴けるMarshallの歪みは極上でありロックギターのスタンダードであるとも言えます。
一部の人しか買えない高級ブティックアンプではなく、
練習スタジオに入るとJCM800やJCM900などのMarshallアンプが定番で置いてある事が多いです。
ギタリストにとってMarshallは素晴らしいアンプでありながら
スタジオ、ライブハウスの普及率を考えればRolandのJC120と並び基本であるとも言えます。
即ちMarshallを使いこなせれば各地のスタジオやライブハウスにおいて
同じ音をどこでも出せる事に近づける訳です。
音圧を求めたロックミュージシャン
12インチスピーカーを4発入れたスピーカーから繰り出されるトーンは
コンボタイプのスピーカー1発や2発の様にまっすぐ飛んでいくというよりも立体感を持って空間に広がっていきます。
このスピーカーを2段にして演奏するギタリストもいてその音圧たるや凄まじいものがあります。
これはもともとThe Whoのピート・タウンゼントが音圧を稼ぐ為に
Marshallに8発搭載されたスピーカーキャビネットを注文したところから始まったという逸話があります。
結局のところ8発のキャビネットでは重すぎて運ぶのに苦労した為、
ローディーさん(ミュージシャンのアシストをする方々)からの声もあり4発のキャビネットを2段にするという事に至ったそうです。
時々今でもMarshallでステージ上に壁を作っているアーティストさんも見かけますね!
今でこそ見た目の凄さの為にステージ上スピーカーを抜いた空の軽いキャビネットを置いているだけの場合もあるのですが
現代ほどPAシステムが発達していなかった当時には圧倒的な音圧を稼ぐ為に
The Whoの様なロックには必要な手段であったのかもしれません。
現在のMarshall
Marshallアンプは歴史あるアンプメーカーです。
少しでもバンド活動をした事があるギタリストであれば誰しもが触った事があるアンプでしょう。
JTM45というMarshallにとっての初のプロダクトアンプであり伝説的なアンプがあります。
しかしながら1959や1987、JCM800、JCM900、JCM2000などの時代に沿ったフルチューブアンプをはじめとして、
パワー管(真空管)を使用しないでMarshallの音色を再現するコンセプトを立てたVALVE-STATEシリーズや
現代のロックに求められる重厚感のある激歪みサウンドまでカバーできるJVMシリーズなど
伝統的なMarshallサウンドは踏襲しつつ時代に合ったもの、実験的なアンプなども作り続けている事がとても素晴らしい事であると言えます。
これからもMarshallアンプはスタンダードでありながらより革新的なアンプを作り続けてくれるでしょう。
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