ライブハウスでライブをやらない一つの選択肢/阿部 仁則(Wabi_Sabi)

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ライブハウスでライブをやっていてお客さんが増えないと悩んでいる方もたくさんいるのではないでしょうか。
今回のインタビューはライブハウスでライブをやることを早々に辞め、自分達に適した活動の仕方を開拓していったボーカリスト阿部 仁則さんをお迎えしました。
悩んでいる方の一つのヒントになれば幸いです。

阿部 仁則(ボーカリスト)
ソウルンポップユニット・Wabi_Sabiのボーカルとして活動する傍、歌の講師の仕事もしている。

そしてそんな阿部さんに話を聞いていくのは今回もこの男!
ギタリスト福田祐次!

よろしくお願いします!
その瞬間すごい勢いでカバンからPCを取り出した!
躍動感が勢いを物語っております。
阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

内容をまとめてきたんですよ!

福田祐次(ギタリスト)

真面目ですね!!

しかしこの時、予想を超えた真面目であることはまだ知らなかった。
福田祐次(ギタリスト)

個人的に先に聞きたいことがあって、、、
阿部さんはいつから歌を始めたんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

人前で歌うようになったのは19〜20歳の頃ですね。

福田祐次(ギタリスト)

あれ?そういえば元々ギターだったという話も聞いたことがあります。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そうなんですよ、最初はギターで学生の頃は毎日ちゃんと8時間練習してました!
SIAM SHADEとかが好きで。

福田祐次(ギタリスト)

結構テクニックがあるのが好きだったんですね。

ギターを弾いてた頃は歌はやっていなかったんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

歌は全然やっていないですね。
声が高いので自分の声が好きじゃなくて。

福田祐次(ギタリスト)

へー!そうだったんですね!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

当時、MTRを持っていて小さいシーケンサーを買ったんですが、思うようにメンバーが見つからなかったこともあって打ち込みに合わせて練習してたんですよね。

福田祐次(ギタリスト)

MTR・・・懐かしいですね。

※MTRとはマルチトラックレコーダーの略で複数のトラックを重ねて録音ができる機械のこと。
最近ではパソコンで行うことがほとんどですが、少し前までは録音用に専用のツールがありました。
阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

その頃、DJをやっている友達がいて、教えてもらうようになったこともあって、ギターじゃなくてDJをやるようになったんです。

福田祐次(ギタリスト)

また全然違うところに!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そうなんです。
で、DJが入っているような音楽ってビートの上に演奏を乗せるじゃないですか。
更に英詞のソウルフルなものが多いですよね?

福田祐次(ギタリスト)

そうですね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

なので、誰も歌えるわけもなく、、、(笑)
探すまでもなくシンガーがいないので自分が歌うしかない状況になったんです。

福田祐次(ギタリスト)

そこからボーカル人生が始まったんですね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

はい。
最初のライブはDJ、ギタリスト、自分がシンガーでした。

福田祐次(ギタリスト)

ギターを弾きたくならなかったんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

なりましたよ。

なのでギタリストに「ここはこうじゃない!」と言ったりしていました(笑)。

福田祐次(ギタリスト)

阿部さん、テクニカルですからね〜!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

勘弁してください(笑)!
今のカットですよ〜。

福田祐次(ギタリスト)

嫌です・・・!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

でもDJがつまらくなってしまって。
同じビートでミックスして変えていくスタイルだったので、全然反対のアコースティックにしていこうか、ってなったんですよね。
日本語の歌詞でオリジナルを作りました。
それが20歳くらいですね。

福田祐次(ギタリスト)

そこからいつ頃からWabi_Sabiに繋がるんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

色々あって。。。

福田祐次(ギタリスト)

色々ありますよね。。。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

某プロジェクトに誘ってもらってゲストボーカルとして参加した時にメンバーとしていたのが現メンバーでベースのRBennyなんです。
そこからもう少し一緒にやってみたくなって、2人で活動してみることになりました。

ライブハウスでライブをやらない!

福田祐次(ギタリスト)

Wabi_Sabiはライブハウスで活動しないでフリーイベントをメインに活動していましたよね。
そこから最近ライブハウスに出るようになるまでの流れを聞きたいのですが、まずライブハウスでライブをやらなくなったのは何故ですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ライブハウスを辞めるまでに関しては、とりあえずライブやろうって感じで2回くらいライブハウスでライブやったんですよ。
初めの頃なので、知り合いを呼んだりして。

福田祐次(ギタリスト)

なるほど。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

「良かったよ〜!」ってポジティブな感想をもらえたわけですけど、対バンの他のお客さんを見た時に自分達と同じように知り合いや身内を呼んでいる状況で。
つまり、音楽ファンとして来ている人が客席にはほとんどいなかった。

福田祐次(ギタリスト)

あるあるですよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

その現実を考えた時に、自分達の音楽を好きで見に来てくれている方を”ファン”と定義した際に、
このままだと”ファン”は増えないなと思ったんですよね。

福田祐次(ギタリスト)

確かにそうだと思います。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ファンが欲しい、新しいファンに出会いたい、と思っている状況でこのままの状態でやっていっても、
無理とは言わないけれどもすごく時間がかかって効率が悪いなと思ったわけですよ。

福田祐次(ギタリスト)

冷静な判断ですね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

だったら知り合いじゃない人が多い状況で演奏した方がファンになってもらえる確率は高い。
例えばストリートの方がファンになってもらえる確率は高いと思ったわけです。
そこが出発点です。

福田祐次(ギタリスト)

そこからインストアライブ等のフリーライブをやろうという流れなんですね!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そうですね。良いところないかなぁ〜って考えて、演奏できる場所を探して、そこにどうやって出られるのか調べたり、担当の方と仲良くなったりして関係性を作っていきました。

だんだん企業の営業担当の方に見えてきました。
阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

活動していると理想のイメージと現実で乖離していることがあるじゃないですか。
例えば今回のように自分のイメージでは大きくても小さくてもライブハウスでライブしているイメージがある。
イメージの中では満員なんだけど、現実では5人とかだったりという。

福田祐次(ギタリスト)

理想と現実の差はたくさんありますよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

つまり、大切にしているのは「イメージを具体的にしてそれを細かくブレークダウンする」こと。
その項目の中で出来ることをやる。

※ブレークダウンとは細分化して分析すること
福田祐次(ギタリスト)

具体的にはどんな感じなんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

例えば今回の例で言うと、ライブハウスで盛り上がったライブをやりたいと思っているとする。
でも現実的にはお客さんがいない。その場合に友達を呼ぼう、となってしまうかもしれない。

でもそうじゃなくて、理想の状態を実現するために、必要なものは何か?それをするためには何が必要?
って細かく考える。

福田祐次(ギタリスト)

例えばどこに宣伝する、とかもその一つっていうことですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そうですね。

何かする前に絶対にそれをやる。

福田祐次(ギタリスト)

真面目ですね・・・。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

あとはメンバーに必ず共有し、同じゴールを共有してもらう。
そして終わったら必ず反省会を行う。

福田祐次(ギタリスト)

えええええ!
めちゃくちゃ考えられてる!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

堅い言葉で言うと「PDCAサイクルを回していく」っていうことですね。

福田祐次(ギタリスト)

ビジネスマンすぎます!

PDCAサイクルってあれですよね!

得意げな顔をするギタリスト
ポッカ(P)、ダイドー(D)、コカコーラ(C)、アサヒ(A)・・・
そんなに絶望の顔をしないでください!
※PDCAサイクルとはPlan→Do→Check→Actionの略で、ビジネスを行う上で計画→実行→評価→改善を繰り返していくという意味。
福田祐次(ギタリスト)

ビジネスマンですね。でも、大事ですよね。

ライブを無作為に決めてしまって、集客に困る。ライブに出演した時にライブハウスの人に次のライブ誘われて、決めてしまうってこと多いじゃないですか。
良くないなぁと思うんですよね。
毎回のライブに目的がないと。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ありますよね。

福田祐次(ギタリスト)

今ってライブをやらなくてもYouTubeとかで名前を広めることもできるし、
ライブをやる意味を今一度考えていきたいんですよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

誤解を恐れずに言えば、
「一円でも儲ける」っていう気持ちは必要かな、と。
楽しくやるのはもちろんだけど、みんなが楽しんで一円でも儲ける気持ちが大切だと思いますけどね。
そうするには計画が要りますよね。

福田祐次(ギタリスト)

計画、必要ですね。

日本ではお金の話はタブーとされているけど、赤字続きだとバンドを続けていくのが難しくなるし、
お金の問題とはきちんと向き合わないといけないと思いますけどね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

大事な事ですよね。

福田祐次(ギタリスト)

計画はWabi_Sabiメンバー2人で考えているんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

基本的には2人ですね。
ベースのRBennyは先輩で僕よりキャリアがあるんですよね。
あとは彼は運営の話には敏感で、お金の事や今後の運営、マネジメントも含めてきちんと話ができるのが恵まれていると思います。

福田祐次(ギタリスト)

メンバー内で話ができるのはいい事ですよね。
例えばバンド4人で3人が楽しければいいじゃんタイプだと結構しんどいと思います。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

確かにそうですね。
本当に頼りになる存在です。

インストアライブを中心に活動してからライブハウスで再開するまで

福田祐次(ギタリスト)

そんな感じでインストアライブを始めて、最近はまたライブハウスでライブをやっていますよね。
そこに至る経緯を教えてください!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

インストアライブを中心にやっていくうちに、少しずつ純粋に”ファン”が増えてきたんですよね。
そうした時にお客さんの方から「ちゃんと音楽聴きたい!」という声をいただいたんです。

福田祐次(ギタリスト)

いいですね!
ちなみにちゃんと音楽を聞きたいって言うのはどういう事なんでしょう?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

お客さん的にはインストアライブだと盛り上がるに盛り上がり切れないって思っていた方もいたみたいで。

例えば照明は明るいし、人の往来もあるし。あとは音量もどうしてもライブハウスよりは小さいですよね。
だから「盛り上がる曲なのに盛り上がれないじゃん?」っていう声をいただくようになったんです。

福田祐次(ギタリスト)

そういうことですね!
新しいライブハウスでのライブのやり方って感じですね。
ライブハウスありきで考えがちだけど、そうではない。
お客さんが盛り上がれる”場所”としてのライブハウスですよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そう。
だからお客さんの中でも初めてライブハウスに行ったっていう方も多くて。
立ってるべきなの?座るべきなの?
ドリンクは先に飲んでいいの?ダメなの?
とか、僕らが思っている”ライブハウスの常識”みたいなのを知らない人たちだけど、今まで信頼関係を築いていたから
こういう時はこうしてください、ときちんとお話ができるし、対バンも聴いてくれるんですよね。

福田祐次(ギタリスト)

Wabi_Sabiが新たな音楽ファンをライブハウスに連れてきてくれているんですね。
しかも、すごくポジティブな「ライブハウスに出る」っていう状態。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そう言っていただけると嬉しいです。

だからと言ってただ単にフリーライブをやれば良いというわけではない!

福田祐次(ギタリスト)

インストアライブのお話をもう少し聞かせてください!
インストアライブでファンを掴むためにこれは効果的だったこととかありますか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

インストアライブは全部無料なので交通費や機材の準備も自己負担になりますよね。
そこも厳しいけれども、更に現場に機材がないことも多くて最初の頃は機材的にショボいまま演奏してたんですよ。

そしたらやっぱりダメで。

福田祐次(ギタリスト)

そうなんですねぇ。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

で、ベースのRBennyはエンジニアも出来るので機材を一式揃えるようになったんです。
自分達が納得した音で演奏しよう、と。

そしたらお客さんが増える。
少なくとも立ち止まる人が増えるんですよね。

福田祐次(ギタリスト)

やっぱりわかるんですね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そう。良い音かどうかは音楽をやっていない人にもわかるんですよ。
それを痛感したから、同じ場所で普段やっている他のアーティストとは違う音っていうことを差別化できたんです。

福田祐次(ギタリスト)

でもなかなか普通の人には機材集めて・・・ってきついですよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

きついと思います。チケット代もフリーだし。
でもそこで手を抜くとお客さんはつかないから本気でやらないとダメ。

福田祐次(ギタリスト)

めちゃくちゃ大切な考え方ですね。

Wabi_Sabi恐るべし!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

インストアライブは”そこに音楽が無くても良い場所”なので、周りの店舗にとっては敵だし味方もいないから鍛えられましたね。

福田祐次(ギタリスト)

具体的にどんな事が大変でした?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

お客さんが座っても、曲間で立ってすぐどこかに行ってしまう。
聞いてくれてもCDを買ってくれないといけないですよね。
なので、どうしたらこの人がずっと聞いてくれてCDを買ってくれるのか、
ということばかり考えていましたよ。

福田祐次(ギタリスト)

そのための対策を考えたり?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そうです。
この場所はこういう客層が来るから、その人が席を立たずにずっと聞いてくれるような曲作り、アレンジ、セットリスト。
更に言えば最終的にCDを欲しくなってしまうように。
を考えてやっていましたよ。

福田祐次(ギタリスト)

それって本当はライブハウスでライブをやるバンドも当たり前のように考えないといけない事ですよね。
ライブをやる場所に関わらず。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

考えた方がいいですよね。

福田祐次(ギタリスト)

僕の過去のバンド活動を考えてもセットリストを考える時、
「最初は勢いがある曲が良くて、この辺にバラードが入って、、、」という事までしか考えなかったですよね。
でもそれって本当はお客さん目線じゃなくてバンド目線。
悪く言えばバンド側のエゴなんですよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

本来提供する側がもっともっと考えないといけない部分ですよね。

福田祐次(ギタリスト)

Wabi_Sabi恐るべしですね!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

だから当時は作品作りという感覚はあまりなくて、お客さんにCDを買ってもらえるような商品開発をしている感覚です。
そしてインストアライブ決まったらローンチ戦略会議が始まります(笑)。

福田祐次(ギタリスト)

完全にビジネスマンですね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

本当、ミュージシャンという気がほとんどなかったですよ。

インストアライブ→ライブハウスに移行して大変な事

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

更にいうと、そこからライブハウスに出演するようになるにはインストアライブで無料で聞ける状態からチケット代を払ってもらうようになるということ。
その価格分の満足度を提供しなければいけない。

福田祐次(ギタリスト)

そこはまた難しい問題ですね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

無料の状態でもクオリティーを上げている分、ライブハウスで演奏する時に「インストアライブで良いじゃん!」って思われないようにするのも、いつも試行錯誤ですよ。

福田祐次(ギタリスト)

飲食店のランチみたいな感じですね。
ランチは赤字だけど、クオリティーは夜と変わらない。
でもランチでお店に来てもらっていいお店だと思ってもらわないと夜には繋がらない、みたいな。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

本当、そうですね。

福田祐次(ギタリスト)

所謂、売れることとやりたいことの葛藤みたいな感じが出てきそうですが、その辺はどう感じていますか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

実は葛藤・・・あまりないんですよ。
気にならなくなった、に近いかもしれないです。

ゴールが”作った曲を演奏してライブで一体感が欲しい”というところと、自分がそこまで”純アーティスト”で居られなくても大丈夫なタイプなので、気にならなかったですね。

福田祐次(ギタリスト)

ボーカルの人の中では珍しいかもしれませんね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そう、でも自分が聞いてきた音楽も芸術だと思ってきたものも裏側ではきちんと売れるように作られていたりするので、
好きなものと売れるもののバランス感覚が大切だなと思っています。

福田祐次(ギタリスト)

Wabi_Sabi恐るべし!

ファンクラブの設立

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブはどういう経緯で設立することになったんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ファンの方からの要望もあって、ファンクラブがあったらファンの方にもっと楽しんでもらえるのでは?と思ったので、作りました。

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブってライブハウスで活動している方達にとってはまだまだ先の話って思っている方も多いと思うですよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ファンクラブっていうと大それたものに感じますよね。
でもWabi_Sabiもそんなに大規模なファンクラブを運営しているわけではないですし、要望があれば良いと思いますけどね。

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブを設立して良かった点はありますか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ファンの方とのコミュニケーションがスムーズになったことと、あとはファン同士で交流してくれるようになりました。

福田祐次(ギタリスト)

ファン同士のコミュニティーができたってことですね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ライブをしていてもお友達を呼んでいるわけではないから、各々が楽しむ『”個”の集団』だったんです。
その”個”が横に繋がったらファンの皆さんにとって、もっと楽しめる場になるのではないかと思っていました。

とは言うものの、最初はなかなかファンクラブを作ることは踏み切れなかったですね。

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブを設立に踏み切れたきっかけは何だったのでしょう?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

お客さんの中でフレンドリーな方が輪を作ってくれたり、『ファン同士で楽しむ場が欲しい』、『ファン向けのこんなイベントをやって欲しい!』という提案があって、ファンクラブを作る決心ができました。

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブを運営する上で難しい点はどんなことですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ファンクラブを運営をすることは音楽を作ることとは全く違う行為になるので、難しいと感じることはあります。

福田祐次(ギタリスト)

全く別次元の話ですもんね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

新規顧客を獲得しないといけない中で、CSを向上させないといけない。

※CSとは元々Customer satisfactionの略で、つまり顧客満足度のこと。最近ではCustomer Successの略として使われることもある。
阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

それは新規のお客さんを獲得するところと全く別のことなので難しいですね。

福田祐次(ギタリスト)

株式会社Wabi_Sabi(勝手に名付けた)にはCSの部署まであるんですね(笑)。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ファンクラブは有料サービスなので、どんなコンテンツをどんな頻度で配信していくか、を考えないと満足してもらえないですからね。

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブの特典でファンから喜ばれているのはどんなコンテンツですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

やっぱりファンクラブ限定のイベントですね。年に3〜4回開催するようにしています。

今後の音楽活動では音源以外で活動資金をどうやって作っていくかが重要である

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブって今後絶対に必要なシステムだと思うんですよね。
CDは時代としては売れないけれども、活動するにはどうしてもお金が必要な場面もある。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そうですよね。僕らもファンクラブは必要だと考えています。

福田祐次(ギタリスト)

ファンクラブとして会費をもらうのは悪いお金ではないですよね。ファンからしたら好きなものを買うのと変わらないというか。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そういえば僕らはファンの方にインストアライブで使っている機材のメンテナンス、レコーディング費用等、必要経費がこれだけかかるっていうのを公開していたんですよ。
で、ファンクラブを作る前にファンミーティングという名の総会をやったんです。

福田祐次(ギタリスト)

株主総会ですか(笑)?!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そんな感じの(笑)。

で、そのファンミーティングの時にオークションを開催して私物やデモ音源、譜面を販売したんです。
その売上はこの費用に使います、と明確にして、購入していただいたファンの方には音源を作った際にファンの方の名前をクレジットに表記する、ということもやりました。

そのPCも株式会社Wabi_Sabiの大事な資産ですもんね。
福田祐次(ギタリスト)

面白いですね(笑)!

クラウドファンディングをリアルの場でやったっていう感じですね。

数学0点だった男がビジネスマンに・・・

福田祐次(ギタリスト)

ところで、そのビジネスマンの考え方はどこで身につけたんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

昔のバイト先の店長がその後コンサルに転職してしまうくらいビジネスに熱心な方で、ビジネス書を貸してくれたりフレームワーク教えてくれたりしたんですよ。
僕は文系だったし、数学も0点を取ったことあるくらいだったけど、論理的思考を身に付けることができて、今に生かせていますね。

福田祐次(ギタリスト)

ミュージシャンからフレームワークって言葉が出てくるとは思いませんでした。
今回のインタビューではPDCAサイクルとCSとフレームワークと、、、ビジネス用語たくさん出てきますね〜!

Wabi_Sabi恐るべし!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

あ、0点のところはカットしてくださいね(笑)!

カットはしません(笑)!

歌の講師とバンド活動

福田祐次(ギタリスト)

ボーカリストとして歌を教える仕事もされていますが、バンド活動との両立はどんな点が大変だと感じていますか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

もうね、ずばりスケジューリングです。新譜リリース時のキャンペーンの時期は大変ですね。

福田祐次(ギタリスト)

講師をされていることってファンの方も知っているんですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

知ってますよ!
体験レッスン行こうかな〜って言ってくれる方もいますけど、ほとんど来ないです(笑)。

福田祐次(ギタリスト)

歌の講師をやっていてプラスになったことってありますか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

出来ることが増えたことです。

講師をやっていると発表会がありますよね。
その発表会では他のパートの生徒さんが出演される際にはボーカルでサポートすることがあるんです。
そうすると普段やらないジャンルの音楽をやる機会がある。

福田祐次(ギタリスト)

違うスタイルの曲をやるって大事ですもんね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

元々はソフトな歌がフィットする声質だけど、シャウトしないといけない場面もあったり(笑)。

普段やらない曲をやる場合は完璧にコピーして全部自分のバンド活動に生かせるようにしています。

福田祐次(ギタリスト)

自分からはすすんで聞かなかったであろう曲や最近の曲も深く知れるって良いですよね〜。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

そういう意味で、最近の曲って1個休符を忘れたら歌えなくなってしまうような、歌がフレーズになっているって言うのが正しいかわからないですが、難しい曲が多いので完全に覚えないといけない曲が多いと感じますね。

ボーカリストから見た良いボーカリスト

福田祐次(ギタリスト)

ボーカリストから見た良いボーカリストってどんな方ですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

難しい質問ですね〜。

福田祐次(ギタリスト)

(ニヤリ)

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

個人的に目指しているのはミュージシャンであるボーカリスト。

福田祐次(ギタリスト)

どういう意味ですか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

歌だけ歌っていても音楽をきちんとわかっているボーカリストでありたいなって。
音楽の中の歌を作るっていうことですね。

例えばライブや制作で他パートの演奏者とスムーズにコミュニケーションを取るためにも、ボーカリストもある程度の音楽用語などは知っておくべきかなとは思います。

福田祐次(ギタリスト)

前回の小倉さん(ベーシスト)との対談の時も、ベーシストから見たらリズム感が良いボーカルが良いよねっていう話になって。

比較的リズムを意識していない方が多いように僕も感じているんですよね。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

いや、本当その通りで生徒にはいつもメトロノームを使った練習を教えていますよ。
歌は楽器に比べてすぐに音が出せるけど、だからこそ歌声を使った楽器を演奏するつもりでリズムを感じるのはすごく大切だと感じています。

今後のこと

福田祐次(ギタリスト)

SNSでレコーディングをしていたのをアップしていたのを見たんですが!
新譜を出すっていうことですよね?

良かったら新譜への思いを聞かせてください!

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

今回のアルバムは自分がアレンジを詰めた曲が多くて。打ち込みの作業やアレンジの作業も好きなので。
前のCDまでは商品開発みたいな意識で作っていたんですが、今回は少し今までとは違って自己表現を出している部分があって。

福田祐次(ギタリスト)

アーティスト的な。

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

今まで身につけたビジネス的な思考とアーティストとしてやっていく思考とのバランス感覚を大事にしていきたいなと思っていますね。

福田祐次(ギタリスト)

おぉー!
今後のWabi_Sabiはどうなるんでしょうか?

阿部 仁則(Wabi_Sabiボーカル)

ライブハウスで満員でいえい!みたいなのが叶ったとは思えない。
その目標を達成するために今できることをやる。
それで今と違う風になればいいなと思っています。

さらに、今応援してくれているファンの方々と、これから出会えるかもしれない方々と一緒に、
みんなが喜んでくれるように
より大きく成長させていきたいと考えています。

阿部 仁則(Wabi_Sabi)
Twitter:@Hironori_Abe
Wabi_Sabi:http://wabisabi.dip.jp/

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